ご存知の通りAIの台頭が著しいなか、プログラムの世界ではより早くAIが存在価値を増しています。「あんな時間がかかっていたことが」「あんなに面倒だったことが」という工程がどんどんAIが処理してくれるようになりました。
ただ「(時間と手間はかかるかもしれないけど)自分でできること」をAIが代替してくれるという点がポイントで、つまり「自分でできること」を増やしておくことが、少なくとも今の時代にAIを強力なパートナーとして活用できるための要素のような気がします。
たとえば少なくとも現時点では、僕がどんなにAIを活用しても医療行為をしたり、あるいはM&Aを財務面や法務面含めてまとめたりすることはできません。どんなに時間と手間をかけてもできないものは、最後自分で判断できないのでAIを活用してもできません。活用できるのはあくまでもプログラムの領域だけです。そしてそれはこれまで泣きながら(笑)プログラムを書いてきた経験があるからこそです。
その意味では、インターネットの世界に入って17年ほど、自分でプログラムを書くようになってから5年ほどになりますが、AIのサポートもなく泣きながら自分でコードを書くしかなかった時代を経験してきて本当によかったと思っています。
もちろんこれからの時代は泣きながらコードを書く経験がなくても十分に活躍できるエンジニアになれるかもしれません。それはそれで素晴らしい時代です。ただそれでもぼくは不遇の時代を過ごせてよかったです。AIのサポートを受けながらどんどん開発が進む今も楽しいですが、なんなら10歳以上若い人に頭をさげて馬鹿にされながらプログラムを教えてもらったり、一晩かかって進んだのはコード1行だけというあの時代こそが、自分の血肉となっている実感がありますし、なんだか遅れてきた青春みたいないい思い出です。
そう考えると人生に無駄なことは本当になにもないですね。多少うまくいかないことがあっても、あーだこーだ言わないで、そのときそのときできることを一生懸命にやり続けるのみです。
株式会社フロンティアゲート 吉武和英


