先日年に1回のお墓参りで地元佐賀に行ってきました。その日の夜に叔父叔母と10個下のいとこと食事をしました。その10個下のいとこは、祖父が立ち上げた鉄工所を継いで3代目となるのですが、まあ若い頃はそれはそれはやんちゃというか、毎日どこにいるかも分からないし、何をしているかも分からない感じで、周りの大人も「あの偉大な祖父の3代目がこれだと、いよいよ鉄工所も長くないな」的な印象を持っていました。
今回久しぶりに会ったのですが、見違えるように立派になっていて、自分なりにしっかり考えて経営しているようです。あと何よりもすごいのが、この採用難の時代に現場の職人候補が集まってきていること。「採用って大変かと?うち困ったことなかよ。なんか知らんけど、後輩たちが勝手にくっついてくるけん、仕方なかけん、まず飯食わして、暇やろうから、仕事もやらせよる。人ばっかい増えて、仕事とってくるとも大変かばい。」と本人は言いますが、これはいとこが持って生まれた特質だと思います。
あれだけ親戚から、ある意味煙たがられていた子が、10年の間にこんなに立派になって、本当に人生というものは分からないし、成長するタイミングは人それぞれ違うんだな、と感じました。
先月も書きましたが、事業というものは利益を出すことが大前提なので、スタッフには人件費を上回る貢献をしてもらわないと困るのも正直なところです。とはいえ、いとこのように「もうお前知らん、勝手にしろ」と匙をなげた後に、本人がある日突然開花して、自分にない価値を発揮することもあるわけで、そのタイミングをじっと待つのも経営者の大事な仕事だと思います。
もちろん成長の機会を常に提供しながら、本人の開花を待てるチームへ、そして才能が開花した本人も自分の才能に誇りを持ちながら仕事ができる、そんなチームが理想です。
株式会社フロンティアゲート 吉武和英