以前「他人との約束も大事だけど、自分との約束も大事」と教わったことがあります。自分との約束ということをあまり意識したことがなかったので新鮮でしたが、いまは当時よりはその意味がよく分かります。
子どもの受験勉強とか見ていると分かりやすいのですが、毎朝6:30から計算問題を30分やる、と決めたとします。最初はいいんですが、そのうちちょっと寝坊して35分からしかできなかったりする日があります。もちろんそういう日もあるでしょう。でも次の日にまた30分からできるか、今度は38分からしかできないのかは大きな差になります。
30分からやっても35分からやっても38分からやっても、先生に怒られるわけでもないですし、テストの成績がすぐに大きく変わることもないと思います。ただ間違いなく変わるのは、自信です。今日もできた、という小さな自信が一枚ずつ何枚も積み重なったときに、ふと気づいたら自分でもびっくりするような大きな力になっていると思います。
話は変わりますが、ここで大事なのが、こどもと違い大人はモチベーションを持ち続けるのが普通は難しいという点です。テストも受験もないですし、しいて言えばお給料増やしたい、くらいでしょうか。それもある程度満足できたら「現状維持」が最大のモチベーションになり、何のために小さな自信を積み重ねるの?という状態になりがちです。
でもそれでもぼくは「成長」は人間に必ず存在する絶対欲だと信じています。5km走れるようになった、料理を美味しくつくれるようになった、お客さんに褒められた、そんな日は「あっ今日ちょっといい日だな」と思えるはずです。仕事やプライベート関係なくそういった感情をたくさん生み出される心の土壌をつくるのが経営者の仕事かもしれませんし、成長ってこんなにうれしいんだよ、と教育し続けるという意味では、会社も学校のようなものですね。
株式会社フロンティアゲート 吉武和英