昨年創業後まもなくからとても目をかけていただいた社長がお亡くなりになったのですが、その社長の言葉の意味を、数年経ってから理解できるようになったことがいくつかあります。
最初は「おれは自分が見たいテレビを見るより、こどもが見たいテレビを一緒に見る方が楽しいな。へぇこんなことに興味あるんだ。って思わない?」というものでした。小さい頃から父親がチャンネル権を100%持っていたぼくにはまったく想像できませんでしたが、ぼくも数年後父親になってまったく同じことを考えるようになりました。
最近は「おれが土下座するだけで解決するんだったらなんてことないよ」というものです。社員さんがミスをしてちょっとガラの悪い方に絡まれてしまったときのこと。商店街のど真ん中で土下座を求められた時に、躊躇なく土下座したそうです。この話を聞いたとき本当にびっくりして、いやそこまでやりますか?!と聞いてしまったほどです。
さすがにこれは理解できないと思っていましたが、今は分かる気がします。もし弊社のスタッフがミスをしてしまい、業務に支障がでるほどのクレームになってしまった場合、もちろんそのミスは反省すべきとして、社長が土下座して相手の気持ちがおさまるなら、そのほうがいいですよね。「なんてことない」とは思いませんが、ぼくもそうすると思います。
ぴったりの表現が見つかりませんが、自分の願いが直接自分のためではなく、他人の安寧や喜びになってきた、そんな感覚です。仕事も、たくさん稼いでお金持ちになりたい!という気持ちがないわけではないのですが、じゃあお金持ちになってなにしたいの?となったら、お客さまへの価値を高めるという意味を含め、やっぱり誰かのためにお金を使えるようになりたい、ということになる気がします。もしかしたらぼくも、ようやく大人の階段をほんの少しだけのぼっているかもしれません笑
株式会社フロンティアゲート 吉武和英